ばいばい
立ち上がって優太さんにあいさつをした途端、こうたくんはあたしの腕をひっぱった。
「パパ、ゆうたくん!」
「なんだと~?
パパを名前で呼ぶ奴は誰だ~!」
優太さんはそう言いながら、こうたくんのほっぺをつねった。
あたしは自然と笑みがこぼれていた。
「ほら、ママとお話ししてきな?」
「うん!」
走って砂場まで行ったこうたくん。
さっきからママって…?
どういうことなんだろう…。
「…康太の母親は、3歳の時に亡くなって…。」
あたしの隣にもう一度座ると、優太さんは話してくれた。
「な…くなった……?」