ばいばい


あたしは康太くんを見つめていた。


「…ことねちゃんのだいすきなひともあのなかにいるの?」


空を指差しながら言う。


「…いるよ。

あの中にいる。」


あたしは空を見上げて言った。


まるで自分に言い聞かせるかのように強く、強く言った。


「…こう。」


優太さんが康太くんを抱き上げる。



「そろそろ…帰ろうか。」


「…あしたもママにあいにくる…?」


「明日はお家からね。」


2人の会話は、なんだか悲しくて…。





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