ばいばい
門の前で立ち止まる。
サッカー部には朝練があったから、元々学校へ行くのは早かった。
20分早く家を出た今日はさらに早い時間に学校に着いた。
ゆっくりと一歩門をくぐる。
駐輪場には自転車が2、3台止まっていた。
駐輪場の横を通り過ぎ、下足室へ向かい靴をはきかえる。
朝練の康とは下足室の前で別れていた為、階段を登るのはいつも一人だった。
だから…、今グランドへ走って行けば、ボールを蹴る康がいる気がして…。
あたしは思わず、階段を登る足を止めた。