ばいばい


そのままずっと突っ立っていると、足音が聞こえた。


あたしは我に還った。



重い足を上げ、階段を上がる。



ゆっくりと教室の扉を開けると、誰もいない静かな教室があった。


そっと康の席へ目をやる。

5人で笑う楽しかった風景が頭に浮かんだ。


零れそうになる涙をギュッと我慢して、窓側の自分の席に向かう。



あたしは空を見上げた。


真っ青な雲一つない空は、とても綺麗で…。





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