ばいばい


――ガチャ


静かに屋上の扉が開いた。


あたしは急いで涙を拭った。

必死で拭っていると、後ろから暖かさを感じた。


ふんわり香った香りは―…。


「美波…?」


美波の香水の香りがした。


「…っ、こと…!」


美波は泣いているみたいだった。

あたしは美波の方を向いた。


そして、そっと抱きしめた。





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