ばいばい

あたしの頭の中は、康の言葉がずっとぐるぐる回っていた。


「ビックリした?

母さんがサッカーのチケットくれるって言うから。

丁度、俺の誕生日だったし。

行く?」


「うん!行きたいっ!」


康が好きなサッカーは、あたしの好きなサッカーで。

昔から、康のことが好きだったからか、気付けばあたしは、康と好き嫌いが同じだった。


―――学校


「おはよう!」


美波といつもの挨拶を交わし、いつものように、1日は過ぎていく。


「部活、楽しみだよね!

早くやりたいなあ…。」


美波が机に顔を伏せながら言った。


「バドミントンってやったことないけど、楽しいかなあ?」


「絶対楽しいよ!」


がばっと起き上がって美波は言った。


「そうだね!」


そう言った途端、学校に授業始まりのチャイムが鳴り響いた。



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