ばいばい
ソファーに座ったお母さんが、後ろを向いて言った。
「もう行くの?
何時からだっけ?」
「うん。
9時に出発だから…着替えてくるね。」
今の時刻は8時。
元々、あまり料理は得意じゃなかった。
だけど、誰の力も借りずに2時間でこれだけ出来たのは自分を褒めてあげたい。
―――――――――
あたしはゆっくり支度をして、50分に家を出た。
「行ってきまーす!」
家から出て、すぐ隣の康の家のインターホンに手をかけた。
「あ、こっちゃん。
おはよう!」
押す直前に、あたしを呼んだのは、車の手入れをしていたみっちゃんだった。
「あ、おはよ~!康は?」
「中にいるよ。
呼んでこようか。」
そう言って、ドアを開けてながら康を呼んだ。