ばいばい
さっき座っていた位置に座りながら、美波が聞いた。
「何?何話してたの?」
「夏休みの話。」
「えっ!?
そういうのは美波がいる時に、話すことでしょ!?」
「…美波、うるさい。
美波は何の話、してきたの?」
「さっちゃんのいじわる!
…美波は…サーブが下手って言われちゃった!
試合近いから、さっちゃんと、ことに教えてもらえって。」
美波はおどけた顔をして、言った。
今の時期、2・3年生には、大きな大会が待っている。
あたしたちにも新人戦が待っている。
「分かった。
教えてあげるから。」
さっちゃんはラケットを持って立ち上がった。
「ことも行こー?」
美波に言われてあたしも立ち上がった。