ばいばい
まだドキドキしてる。
…あたしのうるさい心臓。
あたしは必死に止めようとしていた。
「康くんって…あんなキャラだったっけ…?」
「え!?…あたしもビックリした!
なんか…違うかった。
こんなんじゃ、試合出れないよお!!」
あたしは思いっきり叫んだ。
きっと、康にも聞こえていたんじゃないかってくらい。
「高原って、本当に変わったと思うよ?
良い方向に。」
「本当?変じゃない?
夢じゃない?
あれ、康?」
あたしは訳分からなくなって、自分でも何言ってるのか分からなかった。
「大丈夫だよ!
ほら、早く食べな?」
さっちゃんはお弁当を片付けながら、あたしに言った。
「これでことが負けたら、完全に康くんのせいだね。」
美波は笑ってそんなこと言ったけど、あたしは、負ける気しかなかった。