ばいばい
康が美波とは反対側に座った時、美波が立ち上がった。
「こと、美波帰るね?
邪魔しちゃ悪いし。」
「え…?何それ。」
あたしは笑ながら言った。
「お大事に!」
そう言って美波は帰ってしまった。
「…それにしても、珍しいよな。
あんまり熱なんて出さない琴音が。」
「…康のせいだよ!
急にあんなことするから…!」
「…別に、卵焼き食っただけ。
倒れるほどのことじゃないでしょ。」
康は自分の荷物を持ちながら言った。
だって今日の康なんか違…っ!」
あたしはまた頭が痛くなって、頭を押さえた。
「ほら、でかい声出すからー。
荷物こんだけ?」
意地悪なこと言いながら、優しいことをする康にあたしは少しおかしくなった。