ばいばい

日曜日なのに、わざわざあたしのところに来てくれたんだ。


「暇してんじゃないかと思って。

俺も暇だし。」


「部活は…?」


「さっき帰ってきた。

はい、これ母さんから。」


康が渡してくれた袋の中には、小さな水筒が入っていた。


「生姜湯だぁ…!」


「毎回恒例のな。」


みっちゃんはあたしが風邪を引くたびにいつも作ってくれる。

あったかくておいしいから、あたしは風邪を引いてなくても、もらいに行ったりする。


「ありがとうって伝えといてね!」


「うん。」


あたしは少しずつ、生姜湯を飲んだ。



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