ばいばい

家を出て、坂道を下りながら、夏姉が言った。


「こと、やっぱり…行っちゃう?」


「行かないと始まらないよっ!」


あたしたちが言う場所は、服屋さん。


家から坂を降りると、すぐそこにあるすごくおしゃれな店。

アクセサリーもあって、それを見て行くのがあたしたちの決まりになっていた。


「なんか変わったねーっ!

ここも半年も経つとやっぱり少し変わるんだあ。」


夏姉とお店をぐるぐる回った。

着たい服とか、お互いに似合う服とか、話し合いながら笑う。

あたしの大好きな時間。


「あー楽しかったっ!」


1時間くらい居て、何も買わないで出て行くあたしたちは、お店にとって大迷惑だろう。

だけど、あたしたちの服は全部この店だから、あたしたちはあまり気にしないでいた。



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