sky blue
Side 鈴

瑠璃と彼氏の村田 彰平はとても仲が良くて学校一のカップルだ。
今日も2人は一緒に帰るらしい。

瑠璃は本当の笑顔をアイツにしか見せなくなった。
俺にも見せなくなったあの笑顔を。。。

村田には瑠璃を笑顔にさせてくれた感謝の気持ちと、嫉妬を感じる。
なんで嫉妬を感じるんだろう。

そう思いながら帰り道を桜と歩いた。

「〜ぇ。ねぇってばっ!!!!!!」
桜の声で我に返る。
俺はずいぶんボーッとしていたらしい。

桜は怒ったような悲しいような困ったような瞳をして言った。

「そんなに瑠璃ちゃんが気になるんなら、好きなんなら無理しなくていいよ。。。
 私といるのもイヤでしょ?
 今までずっと振り向かせようとして頑張ってたけど、もう無理。
 私のことを見てくれないんなら、一緒にいないで。
 そんな中途半端な気持ちでいるんなら鈴といるのは私にとって苦痛でしかない。」

俺を見て桜は言葉を続ける。

「もう...別れよう。」

俺はこの桜の一言に戸惑ってしまった。
あの、いつも強気な桜がまに涙をためているから。

俺は桜をこんなにも傷付けていたんだ。。。
自分のことしか見えてなくて、まわりを振り回して。

俺はこの時初めて桜と向き合った気がした。
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