sky blue
「桜。ゴメン。」

そう言って桜を抱きしめる。

桜は質問をしてくる。
「私とまた付き合ってくれるの?」
「うん。」

「こんなにワガママなのに?」
「うん。」

「私の事好きになってくれるの?」
「ーーー・・・うん。桜を守る。」

自分で言ったこの言葉を胸に刻みつける。

瑠璃の代わりとしてじゃなくて、大切な人として。

桜を一生守ってやる。
絶対に泣かせない。
絶対に傷付きない。

俺の腕の中で涙を流す桜の涙を手で拭いて、唇を重ねる。



初めての桜とのキスは涙の切ない味がした。



このころの俺はまだ世界の悲しさ、現実を知らなかったんだ。
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