sky blue

桜の涙

桜チャンが話し始めた。

「私が初めて鈴と会ったのは中学2年生の春。
 私は親の仕事の都合でここに引っ越してきた。


 あの日も、
 初めての場所 初めての学校 初めての空気
 初めてのものばっかりで、また新しく一からやり直しだと思ってうんざりしていて、心細かった。

 そんな時に声をかけてくれたのが鈴だった。
 すっごく嬉しかったの。
 鈴にとってはたった「声をかけた」それだけだったかもしれない。
 だけど、その一言を聞いて安心して、私は恋に落ちた。」

桜チャンは深く深呼吸をした。

「だけど恋って残酷。
 鈴を見ていてすぐ分かった。鈴は瑠璃チャンのことが好きなんだって。
 2人は本当に仲が良くて、お互いに想い合ってることが初めて見た私でも分かった。

 瑠璃チャンを見るたびに思った。
 ”私のほうが鈴のことを想ってる” ”私のほうが鈴を大切にできる”って。
 2人の関係を壊したくて、でも鈴に傷付いて欲しくなくて。。。

 それでも気持ちはスピードを遅くするわけでもなくどんどん大きくなっていって。
 突然、溢れてしまったの。
 鈴に好きだと.....ずっと好きだと言ってしまったの。


 そしたら返事がOKで、すごく嬉しくて。
 毎日がキラキラして楽しみになった。」
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