sky blue
桜チャンの話を聞いて頬に温かいものが流れた。
  涙が流れてた。
今までは自分のことに一生懸命で、周りのことなんて全然気にしてなかった。
だけど、だんだん周りが見えてきて、周りの人を傷付けてることに気がついた。

桜チャンは言葉を続ける。

「だけど恋って残酷。
 付き合ってるのに、鈴への想いはどんどん大きくなっていって。
 でも鈴は瑠璃チャンへの想いを断ち切れてなくて。」


どうして 私を見てくれないの?
どうして 私じゃダメなの?
どうして?
どうして......?

自分の想いがどんなに強くたって大きくたって、相手に伝わらないもどかしさ。
辛く、むなしい想い。


「でも鈴は優しくしてくれるから。
 離れたくなかった.....甘えてたの、私。
 私の事を想ってくれてなくたっていい。
 傍にいてくれたら、それだけで良かったの。」


片思いだとしても、ただ遠くで見ているより、近くで
同じ時を過ごして 同じものを見て 同じものを感じていたいから。


「でも.....。
 鈴に”別れよう”って言われたら嫌だって言えない。
 鈴とずっと一緒にいたいけど、鈴には本当に好きな人と一緒にいて欲しい。
 矛盾してるよね....?
 正直言って疲れちゃったの。
 好きな人を振り向かせようとする気持ちも、人を好きになる...この気持ちにも。」


人を好きになるとすっごく幸せ。
でも、思い通りにはならなくて嫌気がさして。
辛くて 辛くて 悲しくて。
そんな自分にイラついて。
ずっとこの繰り返し。

だからこそ”好き”この一言が大切で、伝えたくて。
でも、伝えてはいけない言葉のような気がするの。
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