sky blue
次の日。

屋上に手作りのお弁当を持っていった。
入ろうとした時に声が聞こえた。
鈴君と彰平君の声。


「俺、瑠璃と付き合うことになったから。」

「2人見てたら誰でも分かるよ.....そんなもん。
 瑠璃が選んだんだったら仕方ない。」

聞こえた彰平君の声は、悔しそうで 悲しそうで、なぜか胸が締め付けられる思いになった。

「でも、鈴。
 てめぇが瑠璃泣かせたり傷付かせたら、ぶっ殺すからな。
 大事にしろよ。」

足音が近づいてきたからとっさに身を隠すと、彰平君が通った。
彰平君の目からは涙が流れていた。

見ていて思わず抱きしめたくなる衝動にかられた。





このときは、ただ ただ自分が幸せになりたくて、他の人の幸せを願って。
全てを手に入れられるはずないのに。
欲しいものが手に入ったら、その分今まで大切にしていたものが手からこぼれ落ちてゆく。


こんなにも私達の関係が脆いものなのだとは思ってもみなかった。
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