sky blue
★Side 鈴★
ドアの開いた音が聞こえてドアを見ると、そこには懐かしい人がいた。

彼女の名前は『吉村 瑠璃』

俺の幼なじみ。

俺の守りたかった人。

俺の守れなくなった人。


中学1年生 夏の初旬。

俺は、同級生の”乙女川 桜(おとめがわ さくら)”に告白されて、流れにのって付き合う事になった。

そのときは気付いてなかったんだ...瑠璃が好きだってことに。

俺が、そのことを伝えた時に瑠璃に言われた言葉


『私には関係ないし』


その言葉は俺の心に刺さった。

苦しかった。

その時にやっと気付いたんだ。

瑠璃が好きだってことに。

でも、気付いた時には もう遅かった。

瑠璃は もう俺から離れてしまっていたから。



高校1年生 春。

俺は桜と同じ高校に行く事になった。

俺は1−B。桜は1−F。

自分のクラスの奴らの名前を見てると見つけた名前。

『吉村 瑠璃』

この見慣れた名前を見たとたん、胸が鳴る自分がいた。

そして、瑠璃を見た時に素直に思ったんだ。

瑠璃は可愛くなったな...って。

だけど、ときどき遠くを見る寂しそうな目も、一つ一つの仕草も、俺を見る目も...なんにも変わってなかった。

罪悪感が心に影を落とした。
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