願わくば……
「……はぁ…」
女は残念そうに深くため息をついた
「全然ッ…覚えてない…??」
「………揺さぶられたところのみ…」
「その後!!…その後は!?」
「…………全く…」
「……はぁ……
最低ー…最悪ー…」
女はさっきより深くため息をついて俺の方を呆れてる目で見た
「昨日の夜…
アンタが中庭に倒れてるのを見て、心配になって病室から全力疾走して行って揺さぶったら反応がなくて、強く揺さぶったらアンタにキレられた…」
「そこまでは…
覚えてるけど…」
「その後、アンタは気絶して、ほって行こうと思ったけど、傷もスゴいし、ましてやこんな真冬に怪我人ほって行くほど私も酷くないから、私がここまでアンタを“1人”で運んだ…」