からっぽな街
「どうも。はい。初めての参加なんです。」
「そうなんだ。友達と一緒とか?」
「はい。あそこに。」
ハナを見たとき、ハナは班のメンバー達とすっかり馴染み、楽しそうに笑っていた。
ああ。ハナはすごいなあ。普段おっとりしているのに、こういうとき、誰とでもすぐに馴染むことが出来るのだものなあ。向いてるよ。幼稚園の先生に。
「へー。友達と離れて不安そうだね。でも、すぐに慣れるよ。俺ね、今回のキャンプで、三回目なんだ。」
「え。三回目ですか。」
「うん。すっごい楽しかったよ。子どもらと川遊びしたり、森で遊んだり。夜は、ナイトハイキングもしたよ。」
「へー。そうなんですか。おもしろそうですね。」
わかった。嫌悪感を抱いた理由が。この慣れ慣れしい話し方にある。
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