からっぽな街

「わ。ごめんね。」
「いいの。いいの。こっちこそごめんね。待たせちゃって。」
「ふふふ。ハナは、優しいね。」
「もう、なによ。突然。」
「いーのいーの。さ、ほら、着替えちゃって。今日は、天気がいいよ。珈琲買ってさ、ゆっくりしよ。」
「うん。そうだね。」
「あ。座るなら、水の側がいいか。ついでに、テントでも張っちゃう？」
「わはは。じゃあ、店長に魚獲ってもらおうか。」
「もー！早く着替えなよねー！」
「ははっ。ごめんごめん。」
ハナは、笑って、更衣室に入っていった。ハナの笑顔を見ると、ほっとする。いつでも、笑っていてもらいたい。
ハナの誰にでも優しいところを、尊敬する。どうして、店長なんかと会話することが、出来るのだろう。私には、考えられない。あの偉そうな話し方には、吐き気がする。