からっぽな街
「これ、寝るとき、体痛くならないかな。それに、寒くないかな。」
「だいじょぶだよ。どうせ、寝るときは、寒くていっぱい着込むし、タオルでも洋服でも入れて寝ればいんだもん。」
「ああ。なるほど。ハナって、すごいね。」
「ふふっ。あるもんで、まあ、なんとかなるからさ。」
そういって笑うハナの、大胆さに感心してしまった。寝袋は、他のいいものと比べると、やはり薄いものに感じた。けれども、ハナの言うように、あるものでなんとかすればいいやと思い、購入した。大型ショッピングモールを歩きながら、次は、ハナの行きたがっているショップに向けて歩き出す。
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