からっぽな街
「すごーい。あ。ノートもリラックマなんだー。かわいー。」
「これはね、この前、自分で買ったのー。」
それでね、と、楽しそうに話し出したニケを遮るように、ミニーが勢い良く飛び起きて、自分の筆記用具を持ち出して話し出した。
「ゆん、見て、これ!これね、全部お姫様グッツなの!これは、アリエル、ベル、白雪姫、シンデレラ、マリーちゃんもあるの!」
必死に見せてくるミニーがかわいくて笑った。ああ。そうか、だから、ミニーなのか。ディズーニーが、大好きなんだね。
「ゆん、一緒に行こう?」
「うん。そうだね。さ、ニケも、一緒に行こうか。」
三人で、手を繋ぎながら、斜面を登って、赤い屋根の小屋まで歩いた。この二人が、同じ班だったら良かったのにな。と、思いながら。
赤い屋根の小屋には壁がないので、山の景色は余すことなく眺めることが出来た。
柱になっている太い丸太は、所々、子ども達による落書きや、彫りがあって、キャンプに歴史があることが感じられる。
木で出来たグループ用のテーブルと椅子が、二十班くらいあった。自分の班のテーブルを探した。
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