からっぽな街
薄い雲が、街の上に広く棚引いて、綿飴を両手で横に引き千切ったように見えた。
私の上にある雲は、雲の形が見えないくらいに幾層に重なっている。ここから見える、ずーっと、向こうの街が地平線に見える辺りの上の雲は、滲むように濃く青く、私の上にある雲と繋がっている部分は、うっすらと夕陽色をしている。その内、向こうの濃く暗い雲は、私の上にまで広がってくるのだろう。
黒い雲に覆われると、星が、きらめき始めるのだろう。
手のひらに乗せた顔を動かし、空を眺めた。もう薄っすら、星の光初めて居るのが見えた。
確か、星は、恒星。自分で輝いていること。それから、明るい順に等級があった気がするな。一番輝いているものから、順に、等級分けされていた気がする。
< 183 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop