からっぽな街
15
全員が、グループの席に着いたら、トックの掛け声で、まずは、班の中で自己紹介が始まった。キャンプリーダーの私から。
「ゆんです。」
班の子ども達の顔を見る。不安そうな、でも、何か期待しているそういう表情。
隣のニケを見て、はいどうぞ。と言う。
「ニケです。小五です。」
にこにこと、ほがらかに言うと、隣の席のつり目の女の子に、はいどうぞ。と言う。
「リッツです。小六です。よろしく。」
無表情に言う。細く、背が高いうえに、頭の天辺でポニーテールをしてつり目。初め、性格のきつそうな子に見えた。その隣に座る三つ編みの女の子に、はいどうぞ。と言う。
「ちゃちゃです。小五です。」
照れた感じが新鮮だった。
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