からっぽな街
「そっか、リッツは、ずっと参加していたんだね。」
「そうだよ。だからさ、私、良く知ってるから、私にやらせてよー。」
「きらり、どうする?」
「俺、俺、俺、俺もやりたーい!」
「ちょっと、別に、四年生なんだから、また来年やればいいじゃん。私は、最後なんだよ。」
「へーへー。そうですか、でも、俺、やりたーい。」
あああ。それにしても、立派だ。これだけ、素直に主張できることは、たいしたものだ。
「うーん。じゃんけんは?」
困った顔をしながら、ニケが言った。
「そうだよ。じゃんけん。すればいいんじゃない?」
ちゃちゃも、ニケと顔を合わせながら言う。
「そうだね。じゃあ、じゃんけんで決めるっていうのは、どう?」
「えー。」
ぶつくさと言いながら、わかったよ。と、不満たっぷりに、リッツは言う。
「じゃあ、三回勝負ね!」
「いえーい!」
きらりは、テンションを上げて、じゃんけんの構えをする。

最初はグー、じゃんけんぽい!

「超、ムカつくあいつ。」
机に伏せた格好で、ふてくされながらリッつが不満を言う。
勝負は、三対二で、きらりが勝ったのだった。
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