からっぽな街

「いえーい。俺の勝ち！いえええええい！」
小学生らしい、派手な喜び方をして見せるきらり。
「むかつくー！最後だったのにー！」
と言いながら、ばしんと、テーブルを叩いたリッツ。ニケとちゃちゃが、驚いている。
「ほら！行きなよ！」
「え？どこへ？」
「だから、班長さんは、前に来て下さい！って、言ってたじゃん！」
「え？そうだっけ？」
バシンと、テーブルを叩いて、怒りを抑えられないリッツに、どう接していいか、わからなくなる。
「きらり、前に行っておいで。」
「早く行け、ばーか。」
たたたたっと、立ち上がって、前に走ってゆくきらりを見ながら、羨ましそうに、
「何あいつ。全然、話聞いて無いじゃん。だから、私がやりたかったのに。」
と、漏らしていた。