からっぽな街

「おーい。みんな、注目―！」
前にいるトックが、ずらりと並ぶ班長たちをみんなに見せる。
「これが、班長さん達です。班長さんは、班で決まったことを必ず、僕達に言いに来てください。」
「はーい！」
班長全員が、大きな声で返事をする。すばらしい。
「では、まず、五時まで自由時間なので、何をして遊ぶか班の人達で決めましょう。決まったら、言いに来てください。遊ぶ道具を貸し出しします。」
「あいつ、絶対ダメだよ。ちっとも話聞いて無いじゃん。」
「ほんとだ…。」
きらりだけ、話を聞くことなく、靴で地面に絵を書いて遊んでいる。
困った顔をすると、ニケやちゃちゃも、首を傾けて、困った顔をして見せる。
隣に座る、ぽくの頭を、ニ、三度撫でる。
「ほえ？」
振り向いた時の、半開きにした口とぷくぷくとした頬っぺたが、ぽよんとしていてかわいらしい。うう。癒される。ぽくの、子どもらしいほのぼのとした感覚に、心臓を鷲掴みにされる。
「いえーい。帰ってきたぜー。」
遊び方の、アイディアが書いてあるプリントとを持って、走って帰ってくるきらり。