からっぽな街
「おいしー！」
笑顔で、自分で釣った魚の塩焼きを頬張るぽくは、とても逞しく見えた。
「うめっ！うまっ！うっまー！」
「うるさいっ！でも、しょっぱくって、おいしー。」
きらりを一括しながらも、リッツの、魚を頬張る満足そうな顔。
「うん。おいしい。」
骨を丁寧に避けて食べるニケは、魚の内臓を取ることが出来ず、内臓を取るのも、塩をつけるのも、全てきらりにやってもらっていた。
「おいしいね。」
ちゃちゃは、気持ち悪いと言いながらも、何とか自分で魚の内臓を取った。手が生臭いと嘆いていたが、自分で作った塩焼きの前には、手の匂いなど、大したことではなかった。
「わあー。いい匂い。おいしそう！」
沢遊びから帰ってきた、ハナの声だった。
「あー！プーだー！」
と、子ども達が、名前を呼ぶ。キャンプも、三日目になれば、だいたいが顔馴染みになるのだ。
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