からっぽな街
仕方がないから、起き上がることにした。起き上がることにした、というのも、そうやって、自分に言い聞かせなければ、また孤独を感じてしまうからだ。私は、空腹でも平気だったのだけれど、体の奥底の動物的な部分が、私を動かしたのだ。ともう一人の誰かを仮定して、言い聞かせていたかった。私は、何かによって、動かされることを欲している。
それは、周りに誰も、何もないことが、原因であるからなのだろうか。
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