からっぽな街
「ユウちゃん、でいいのかな?」
「はい。」
テツヤのためにも、愛想良く笑顔で答える。それに、山中さんという人は、とても感じのいい人だったから、本心だった。
「テツヤがね、よく、ユウちゃんの話をしているよ。」
「ええ。本当ですか?」
テツヤの顔をちらりと見る。
ジョッキを飲む横顔の、美しい顎のライン。山中さん!と、小さく目で抗議しているのが、すごく愛しかった。
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