からっぽな街
「あ。ごめんね。そう、見えただけだから。」
「いえ。いいんです。多分、そうだから。頑張ってるって思われていて、頑張っているなんて、ああ。恥ずかしいな。テツヤも、気付いてるんですか?」
「いや。あいつは、そういうの、気が付かないよ。そういう目を、まだ持っていないから。」
「そうですか。なら、良かった。」
「ほら、また、人の目を気にしてるよ。」
「ああ。これかあ。」
「ユウちゃんさ、頑張らなくていいんだよ。そのまんまでいいんだよ。」
やばい。泣いちゃいそう。真っ直ぐに、落ち着いた声で言われると、涙が出そうになる。
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