からっぽな街
「すいません。電話、近藤さんでした。」
申し訳なさそうな顔をしながら、テツヤがテーブルに帰ってきた。
「なんだよ。近藤かよ。こんな夜遅くに、あいつ何やってんだよ。」
どうやら会社の同僚らしい人の話題に変わった。近藤がどうした、そういえばこないだもだとか。
でも、そんなことは、どうでも良かった。心臓が、まだ、どくどくとしていた。
テツヤのおかげで、空気がガラリと変わったものの、山中の前で取る行動に一々臆病になってしまう。また、こう動くことで、こう言う事で、見抜かれてしまうんじゃないかと思うと。
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