Magical☆Player
「客か」



テノールのいい声。
背の高い、端整な顔立ち。




・・・そして、忘れもしない、あの偉そうな態度。




「あっ、あっ・・・」



私は思わず声を上げた。





コツ、コツ、コツ





彼が入ってきた瞬間、にぎやかな雰囲気が一瞬で変わった。



空間を支配した、

そういうのが適切なほどまでに、全員が彼に注目している。



私に気がついた皇帝は、私を見てあの時のように、軽く鼻で笑った。





「あぁ、お前は今朝の」





まさか・・・信じられない





「えーなになに、凛花知り合いなの!?」



私の気持ちなんて関係なしに、夏の目が輝く。
私はそれを無視して目の前の皇帝を軽くにらんだ。



「・・・あの、生徒会長さん?」

「あぁ」



短くそう言うと、ふっと不敵な笑みを浮かべて、続けて言った。





「緑風学院生徒会長、乙坂颯人だ」
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