Magical☆Player
「それ、集めるんだろ?」


私の方を見もせずに乙坂は言った。


「あ、でも、今年は去年とは違う方法で予算を組んで欲しくて・・・」

「あぁ、それで大丈夫だろう」

「大丈夫って言われても・・・」

「おい、見てから言えよ」


ちらっと私の方を見て、さっき手渡された冊子を指さす。

そう言われて、ぱらぱらっと冊子をめくった。
私は驚きのあまりあっ、とまた声を漏らしてしまった。



今年のこの変則に順応できる、完璧な予算組だった。



「なんで・・・」

「最後まで見ろよ」



めくっていくと、見取り図のようなものが出てきた。



「あ、もしかして会場のこと、かな?」


隣から一緒に見ていたまどかが言った。



「あぁ、校内見学する前にそれで予習しておけ。効率よく見学してもらうためな」



・・・抜かりがない。



「あ・・・ありがとうございます」



予想しない事態の展開に驚きながら、私は反射的に礼を言った。



・・・お礼なんて言うつもりで来たんじゃなかったのに。
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