Magical☆Player
先生が指揮台に上がり、合奏に参加している部員105名は一斉に立上がり、礼をし、着席する。



「では、最初から」



指揮者が棒をあげ、楽器を構える。

指揮者が振り出した棒と共に息を吸い、私達は華やかなアルボラーダを奏で始めた。








「なんかねぇ、違うんだよ」






今日の合奏。
一応譜読みは徹底させたので落ちる人はいなかったと思える。
しかし音を追うあまり、縦の線がさっぱり見えない。


部活の後、私達高二は音楽準備室で指揮者の先生のその言葉に身構える。



「5月にしてここまでやれたことは評価するよ」



その様子を見て、先生がフォローする。



「はい…あと都大会までに具体的に何をすればいいでしょうか」

「練習」
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