ラブメモリー〜その後〜
One
分からない
いきなりね、「好きな人できた」と言われても体は脳についていかない。
かける言葉はいくらでもあるはずなのに、あたしはそれを拒んでる。
小学生から仲良しな君。
最初は“男友達”からで、いつから“スキナヒト”に変わったのだろう。
あなたは初恋の人で、今まで知らなかった世界を教えてくれた人だった。
「彼が幸せなら…」なんて言えないよ、言いたくない。
あたしってこんなに汚い人だったんだ…
「仲いいお前には言いたくてさ」
可愛らしい笑顔を見せながらそう言った。
いつも“仲いい”って言われて嬉しかった…けれど今は一番聞きたくない言葉だった。
―――だってそれはもう、あたしが恋愛対象として見られていないってことなんだから…