秘密基地
秘密基地
『ここは二人だけの秘密の場所だぞ』
『母さんにも内緒なの?』
『うん。男二人だけの秘密だ』
『すごい、すごいカッコイイねっ!!』
『それでな、いつかハヤトに世界一大切にしたいとゆう人ができたら、ここに呼んで来い』
この時の親父の顔は絶対忘れないだろう。
涙が出そうなのを、彼は必死に食い止めていたんだ。
『お父さん、大丈夫?』
『うん、大丈夫だよ……』
これが、親父との最後の思い出になるなんて、ちっとも思ってなんか、なかった。