秘密基地



いたとしても、たぶん世界に一人か二人しかいないと思う。

「じゃあフランツ」
「じゃあって、違うじゃん」
「もう何でもいいよ」

なんで嘘ついてるヤツに飽きられなくちゃいけないんだよ、おい。

「ってかここ俺の基地なの、秘密基地。だから帰ってよ」
「え、秘密基地?」
「そうだよ、秘密だったんだよ……」

そう言った途端、後悔した。
彼女の表情が変わったからだ。

信じられないとでも言うような、すごく明るい顔をしていた。

「それ本当?!」
「うん…そうだけど?」
「じゃあここはあたしとハヤトしか知らないんだね!!」

おいおいおい、何で喜んでんだ。



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