秘密基地
何でコイツは俺の名前を知ってるんだ。
「なぁ、何で名前知ってんの」
「別に私が何を知ってようとあたしな勝手だよー」
「いや、軽く犯罪者に見えてきちゃったよ、お兄さんは」
人の基地に勝手に入って、
しかも俺の名前まで知ってるときた。
本当に犯罪者みたいだ、
まるで可愛い顔した悪魔。
「うるさいなー……起きたばっかなんだからまだ頭働いてないよー」
「ちゃんと答えろ」
答える様子がない彼女に飽きてきた。
同時にもうどうでも良くなってきた。
「じゃあせめてお前の名前を教えろ」
「……エリーゼだってば」
「そんな見え透いた嘘はいいから」