秘密基地



でも、あいつが悪いんだ。
そう思って部屋の片付けをしようと、崩れてる本や教科書に手をかける。

だけどあいつが気になって、全然体が働かない。積んでもまた、崩してしまう。

「何なんだよ、あいつは」

勝手に基地に入ってきた上に、俺の中までぐちゃぐちゃに壊していく。

俺の中のバランスが保てなくなる。

「だぁー!!しょうがねーな…」

もうどうしようもなくなった。あいつの存在は、一つの歯車みたいだ。あの一つのパーツで、俺は変わってしまう。

ちょっと気晴らしにコンビニに行こうと、ドアを開けた。

――ゴン

何かにドアが当たる音がした。



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