甘いニオイと先生のキス
玄関を出て少し歩いた広場に先生の車が止めてある


「先生、今日はわざわざすみませんでした」


一応、サヨナラの挨拶


「おうっ!また明日、学校でな」


「はい」


先生は車に乗り込むと運転席の窓を開けた


「ホラ!ガムやるよ」


「あ、ありがとうございます」


先生は私にガムを渡して、いつものように軽く手を上げて帰って行った


車が見えなくなるまで見送り、貰ったガムを見る


先生って私がガム好きって思ってるの?


まぁ先生のおかげで、グリーンミントのガムが大好きになったのは確かなんだけど…


そして先生との秘密もなくなり、あの場所へ行くこともなくなった


ドキドキのホワイトデーは何もなく、クラス全員にアメをいくつか配って終わり


そして、密かに先生を見てるだけの日々が続いた





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