甘いニオイと先生のキス
授業中の教室に入る勇気のない私はそのまま屋上に向かった


先生がタバコで白いワッカを作ってくれたことを思い出す


あの時と同じ場所に座り、休み時間を待った


風はまだ冷たいけど、太陽の暖かい日差しが私を照らす


さっきの先生…どうしたかな…


あそこは北校舎でカーテンもあったし、寒くないかな


私は先生がいるかもしれないと、誰にも見付からないように北校舎に戻って行った


教室のドアが閉められている


そっと開けてみると、もちろん誰の姿もなくて、私は小さな溜め息をついた





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