かげろうの殺しかた
遊び終わって彼女を家に送り届けるたび、

相模惣右衛門が
幼い隼人に、蛇蝎を見るかのごとき目を向けてきたのが何故か、


この国の侍は、
大組に列する騎乗の士分と、小組の徒士とに分かれており、

秋山家は代々小組の平侍、
加那の相模家は大組の物頭の家で、


幼き日の約束が叶えられることなどないのだと隼人が知ったのは、

ずっと後のことだった。
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