(コラボ)沈黙するケイタイ~交点の烈~
10歳下の弟。

こいつが生まれた時は、

あたしは完全に保護者の位置にいた。

いまいちたよりない母上に任せておけなくて、

ほとんどあたしが面倒を見ていたのだ。

実際、

あの母上はあたしを育てたのが信じられないくらい、

弟の世話が下手だった。

そして、かわいかった弟は、

幼稚園ごろから何だか怪しくなりだして、

今や完全に、

あたしがどう頑張っても、

何一つ勝てることのない存在になってしまった。
< 32 / 94 >

この作品をシェア

pagetop