(コラボ)沈黙するケイタイ~交点の烈~
「ベリルだ。軍人だったんだ」

いつの間にか、アユタが覗き込んでいた。

ナユタは思わず本を閉じた。

本の刊行された年を確かめる。

「・・・のお父さんとか」

「何で?」

「だって、これ、何十年も前に出された本だよ。写真だって、古いはず」

なのに、ベリルは、今とそっくり同じ姿でそこに写っていた。

「意外と、イカレジジイの言ってたことは正しかったりして。ベリルは本当に、永遠の命と若さを持っているんだったりして」

ナユタは喋れずに、アユタを見た。

ゲームっこなアユタには、そういうことも、世界にはありえる範疇のことなのか?

「ううん」

「うなってないで、糖分補給したら?ケーキ、きたよ?」



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