(コラボ)沈黙するケイタイ~交点の烈~
「えっ!!じゃあ、お母さんはベリルに会ったの!!?」

いろいろな事情を説明しなくてはいけないわずらわしさは、お陰で回避できたものの、ナユタは悔しくてたまらなかった。

家に帰ると、ぽーっとのぼせあがった母がいたのだ。

「かっこよかったわよ~いるもんなのね~あんな人」

「ズルい~!!そんなことなら、お母さんがさらわれてればよかったのに!!」

「こんなオバサン、さらってどうすんだよ」

アユタが呆れてつぶやいた。

「どうせ、同じじゃん。電話ももらえないんだから」

ナユタは、殺気立った目で、アユタを睨みつけた。

「何か言った!?」

「何か、聞こえましたか?」

アユタは言うと、逃げ出した。

「とにかく、あなたは病気で休んでたことになってるから。明日からは学校に行きなさいよ」

「うん」

「どうしたの?」

「ねえお母さん、ベリルのこと、もうちょっと詳しく話してよ」

< 87 / 94 >

この作品をシェア

pagetop