【茶】Brown love★ブスが恋して何が悪い!!
「お疲れ様でした」
その声に黒い粒子たちの踊りは止まった。
髪を丁寧に拭取られ、また先程の鏡の前に座らせられた。洗ったからといって代わり映えのしない顔に、嫌気がする。
「鏡……嫌いですが?」
「……はい」
露骨に顔に出ていたのか、宮越さんが心配そうに尋ねてきた。
「でしたら、こちらをお付けください」
ニッコリ笑って差し出されたのは──
「アイマスク?」
「はい。これで鏡を見ないですみます。同時に仕上がった時の喜びも得られますから」
仕上がった喜び? それは、今の私には想像も出来ないまま瞳に、視界を塞ぐ布がかけられた。
光りを遮られ、不安な気持ちが押し寄せてくる。
だけど──