【茶】Brown love★ブスが恋して何が悪い!!
― ピピピピピ──。
どのくらいの時間が経ったのだろう。
聞きなれない電子音に、身体がビクリと反応する。
瞳を開けてみるも、暗闇の世界は変わらない。
あ、そうだ。アイマスクされていたんだっけ。そんな事をのんびり考えていると──
「お疲れ様~」
安心感を得られる魔法の声が降ってきた。
「では、そのままシャンプー台へ行きましょう」
今は視界を塞がれている私の手を、まるで硝子でも扱うかのように、そっと添えられた手に引かれて歩いた。
たった数メートルの距離。
今は、彼の表情を読み取る事は出来ない。
だけど、その間に優しさと温もりを感じ、幸せ色に包まれていた。
再び椅子の背もたれが倒され、シャワーから落ちる微温湯が遊びだし、ふんわりと漂うシャンプーの香りからは、花畑を連想された。