【茶】Brown love★ブスが恋して何が悪い!!
― 昼下がり
ブー ブー ブー……
何処から発しているのか、奇妙な音が聞こえてくる。
段々と大きくなるそれは、やっとの事で、携帯電話と判明した。
音が聞こえてくる方向に耳を傾け、ようやく音の主を発見出来た。
けど、音は止んでしまった。
「珍しいわね、これが音を出すなんて」
滅多に鳴らないため、充電を入れ忘れてそのままの状態の事の方が多い。
慣れない手つきで履歴ボタンを押すと──
── 不在着信1件 ──
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祥子
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と表示された。
あ、今昼休みか。そのまま通話ボタンに手をかけた。
『あ、晴美? 具合大丈夫?』
「うん。朝は酷かったけど大分マシになったよ」
具合ではなく顔の崩れようなんだけどね。
『良かった。心配したんだからね』
「ありがとう」
『今日学校終わってから家に行っても平気?』
「うん。待ってるね」
『無理したら駄目だからね』
「うん、ありがとう」
祥子の笑った声を聞いたら安心感に包まれた。
教科書を閉じ再びベッドに潜り込んだ。
「友達って良いな」
そっと呟いた一言を拾ってくれたのは夢への扉から現れた天使たち。